2006年12月22日

経済学の設題

日本社会システム論(経済学):阿部照男
       設題(字数指定4000字です)

最近、日本の年金生活者の中に、東南アジア諸国などに生活の場を移す人たちが増えてきました。

これは、日本よりも東南アジア諸国などの方が、生活費がかからないからであると考えられています。

そこで問題です。
日本の生活費はなぜ高いのでしようか。
また、年金生活者たちが海外に生活を移すことが、日本経済や国際経済にどのような影響をあたえることになるのでしょうか。

物価の理論、為替の理論などをふまえて、できるだけ具体的に論じなさい。


レポート作成上の留意事項・ポイント  .
・テキスト・参考書を十分に学習し、また新聞・テレビなどの経済面の記事・報道にも注意を払いながら、レポートを作成してください。

総評基準についでのメッセージ
・基礎的な理論(考え方)を学習したうえで、できるだけ身近で具体的な例をあげながら論ずるようにしましょう
・また、できるだけ自分自身の考え(意見・感想)を盛り込むようにしましょう

参考書等の紹介
(入門的なもの)
経済学道案内  阿部照男著 藤原書店 3,200円
・日本経済にいま何が起きているのか    阿部照男著 藤原書店 2400円

(研究書的なもの)
・経済学史 早坂忠著 ミネルヴァ書房 2,500円



Posted by okh at 19:38│Comments(2)
この記事へのコメント
1.日本経済にいま何が起きているのか
              amazonから引用
現在の“日本経済停滞”の原因と意味を、江戸時代以来の日本の歴史に分かりやすく位置づける語り下し。歴史がわかると、ゆくべき道が見えてくる現代経済事情道案内。

     目次
第1章 日本経済崩壊の現状
第2章 日本経済はなぜ崩壊したのか
第3章 日本経済躍進の秘密は江戸時代にある
第4章 戦前の日本経済には重大な矛盾があった
第5章 戦後の諸改革が日本経済の方向を決めた
第6章 戦後の日本経済はなぜ高度成長したのか
第7章 高度成長はなぜ挫折したのか
第8章 日本経済は沈没するのか
第9章 日本経済はどこへいくのか
第10章 日本経済が目指すべきもの

東洋大学で「経済哲学A・B」を教えているらしい。

 「経済哲学」というのは、「経済」を「哲学する」ということです。「哲学する」とは、物事の仕組みや何たるかを徹底的に考え、その本質を明らかにしようとする学問です。私は身近で、具体的な経済現象から出発して、学生達とともに、その経済現象の中に分け入り、その奥底に隠れている要因や原理を解き明かしていきます。学生にとって、「経済学」は、教授から与えられるものではなく、自らの頭で作り上げていくものであることを、体験さ せたいと考えています。

 例えば、今年(平成17年度)の授業は、「ライブドア事件」を分析することから始めました。「ライブドア」の「ニッポン放送」買収劇を材料にして、「なぜ企業買収がおこなわれるのか」、「資本主義とは何なのか」、「人はなぜ儲けようとするのか」、「そもそも経済とは何か」というような問題を、学生と議論しながら、解き明かしていきます。学生達に、疑問・問題を自らの手(頭)で解決していくテクニックと自信を与えたいと思います。

所属学会が「経済理論学会」ということは明らかに○経の人。
Posted by okh at 2006年12月22日 20:23
〔1〕国際収支均衡線
 国際間における「資本取引」が活発化し、国境をこえて資本の移動が大きく額になっている。
 このときの、資本取引による借り手側は、rの低い国で資金を調達する。逆に、資本取引による貸し手側は、rの高い国に資金を供給するであろう。したがって、rの低い国には資本取引での超過需要が発生し、rの高い国には資本取引での超過供給が発生する。このとき、資本移動に対する法的規制や手続きなどの障壁が少なければ少ないほど、rの国内外の利子率格差は速やかに解消され、理論的には、rは国際水準の利子率(記号:rus)へと収束されることになる。しかし、rがrusを上回るとき、つまり(r-rus)>0であれば、海外から日本へ金融資本が流入し、日本のCBは黒字になると想定される。また逆に、(r-rus)<0ならば、日本から海外へ資本が流出し、日本の資本の収支は赤字になると想定される。
 このような国際間の資本の移動は各国の利子率格差に起因する。この格差は、理論的には資本市場を通じて調整される。資本の国際間移動を定式化すると
BP=XM(Y,e;Yus,Pus,P)+CB(r-rus)
となる。ただし、
BP=国際収支、XM:経常収支
CB:資本収支、Y:所得、
e:名目為替レート、P:物価、r:利子率
添字のusは国際水準を表す。
このときBP=0となるrとYの組合を図示したときにえられる曲線が「国際収支均衡線」となる。
〔2〕財政政策と金融政策
 マンデル=フレミング・モデルとは、変動為替相場の下で国際間の資本移動が完全な場合のIS-LMモデルのことをいう。
(1)財政政策
 図1はIS-LMモデルにBP(国際収支均衡線)を同時に図示したものである。図1はBP=0より国内均衡と国際均衡が同時に達成されている状態である。
 仮に国内均衡がY1にあり不均衡にあるなら、政府支出などの財政政策を発動しIS曲線図2のようにシフトさせることで不均衡を解消させることができる。このことは、国際収支全体を黒字にするから、為替レートeが低下、つまり円高になるから、
r=-([1-c(1-t)+m]/b)Y
+(n/b)e
+(C0+I0+G0-CT0+XM0)/b (式1)
が示すように、IS曲線は左下へシフトする。換言すれば、円高によって日本の輸出等が増加しない反面、日本の輸入等は増加するから、少なくともXMは、赤字傾向を示す。ひいてはADの低下を呼び起こすから、IS´曲線は再びシフトをし、IS曲線まで引き戻される。それから更に左下にシフトすれば、rがrus
以上になり、大量の資本流出がeを円安にするから、IS曲線は右上へシフトする。したがって、ここは貿易黒字が発生し、もとの状態にもどり無効である。
(2)金融政策
 一方、通貨発ころなどの金融政策は図2のLM曲線をLM´にシフトさせる。ここでは、国際収支が赤字となり、為替レートが「円安」となり輸出が増加しIS´にシフトし同時均衡が達成できる。それとともに、一度低下したrは、資本移動の完全性の仮定によって、rusに引き戻される。よって、純粋な変動為替相場制の下で資本移動が完全な場合の金融政策は、図2が示すように、LM曲線のシフトがIS曲線のシフトを誘発することにより、Yの水準を増加させることができる。この意味で、金融政策は有効であるとなる。そのために、国内均衡と国際均衡を同時に達成させることも可能となる。
 次に固定相場制下では図2のISのシフトはBPの黒字領域にあり、黒字が発生する。レートが固定されているため、金融が緩和されLM線がLM´へシフトし、同時均衡が達成される。一方、金融政策を発動した場合、LM´へシフトするか、金融引締をまねき元のLMへもどり無効となる。
 固定為替相場の下で、資本移動が完全な場合、中央銀行は、為替レートの維持の責任を負うているから、rを変化させるような金融政策を実行することはできない。少しでも、貨幣供給を増減させると、rを変化させ、大量の資本移動が達成するからである。これと対照的なのが変動為替相場の下で、資本移動が完全な場合である。このときの中央銀行は、為替レートの維持の責任から逃れ、国内経済のための金融政策を行うことができる。
Posted by no.1 at 2007年01月30日 15:43
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。