2007年01月12日

国際収支均衡線について

・マンデル=フレミング・モデルを理解するために必要な事項

国際収支とは一定期間内に行われた外国との貿易取引の流れを示すもの。

国際収支均衡線(曲線)とは国際収支の均衡を達成させる利子率と国民所得の組合せである。

国際収支均衡線について

・貿易収支は(輸出-輸入)で定義され輸入は国民所得に依存する関数である。一方、輸出は外国の所得に依存することから(外国にとっては輸入)なので外生扱いである。また輸入は輸入代金の支払いを通じて国内資金を海外へ流出させる。つまり貿易赤字を意味する。

→国民所得が増大すると貿易収支は赤字になる。輸出は外生で輸入は国民所得の増加関数だからである。

・同時に貿易収支は為替レートにも依存する。為替レートの円高は貿易収支を赤字にし、円安は黒字にする。

貿易収支は為替レートにも依存する。
→円高は輸入が増え、貿易収支を赤字にし、円安は黒字にする。

・一方、資本収支は、単純に言うと、外国銀行との資金の流出入であり、利子率に依存する。
 日本の利子率が上昇すると、日本の貯金したほうが有利であり、海外から資金が流入する。逆に、日本の利子率が下落すると、海外へ資金が流出する。

資本収支は諸外国の銀行との資金の流出入であり、利子率に依存する。
→自国の利子率が上昇すると、海外から資金が流入し、資本収支は黒字になり、利子率が下落すると国内の資金は海外へ流出する。

国際収支が均衡するには

純輸出=輸出-輸入=純資本の流出

が成立しており、純輸出:dX、輸出:E、輸入:Mとすると、

M=mY:輸入関数

より、dX=E-Mkara

dX=E-mY:純輸出

純資本の流出をdFとすると

dF=f(r)

国際収支均衡線について

純輸出=純資本の流出

の式を媒介し、国際収支均衡線が導出される。



Posted by okh at 20:49│Comments(5)
この記事へのコメント
貿易収支は(輸出-輸入)で定義され輸入は国民所得に依存する関数である。一方、輸出は外国の所得に依存することから(外国にとっては輸入)なので外生扱いである。また輸入は輸入代金の支払いを通じて国内資金を海外へ流出させる。つまり貿易赤字を意味する。
→国民所得が増大すると貿易収支は赤字になる。輸出は外生で輸入は国民所得の増加関数だからである。
・同時に貿易収支は為替レートにも依存する。為替レートの円高は貿易収支を赤字にし、円安は黒字にする。
貿易収支は為替レートにも依存する。
→円高は輸入が増え、貿易収支を赤字にし、円安は黒字にする。
・一方、資本収支は、単純に言うと、外国銀行との資金の流出入であり、利子率に依存する。
 日本の利子率が上昇すると、日本の貯金したほうが有利であり、海外から資金が流入する。逆に、日本の利子率が下落すると、海外へ資金が流出する。
 資本収支は諸外国の銀行との資金の流出入であり、利子率に依存する。
 自国の利子率が上昇すると、海外から資金が流入し、資本収支は黒字になり、利子率が下落すると国内の資金は海外へ流出する。
国際収支が均衡するには
純輸出=輸出-輸入=純資本の流出
が成立しており、純輸出:dX、輸出:E、輸入:Mとすると、
M=mY:輸入関数
より、dX=E-Mkara
dX=E-mY:純輸出
純資本の流出をdFとすると
dF=f(r)このときbp=0となるrとyの組合を図示したときえられる曲線が「国際収支均等撰」である。
海外との取引には、経常収支に記載されている財、サービスの取引の他、海外の工場建設の他直接投資や債権・不動産などの取引を総称した[資本収支]が盛んに行われている。
このとき、資本取引における借り手は、利子率の低い国で資金を調達するし逆に資金取引の貸し手は、利子率の高い国に資金を供給するだろう。したがって利子率の低い国は、
資本取引での超過需要が発生し、逆に利子率の高い国では資本取引での超過供給が発生する。このとき資本移動に対する法制手続きなどの障害が少ないほど、利子の国際水準の利子率へ収束される。
における「資本収支」が活発化し、国境をこえた資本の移動が大きな額になっている。
資本取引における借り手は、利子率の低い国で資金を調達するだろうし、利子率の高い国では資金を供給する。したがって利子率の低い国では、資本取引での超過供給が発生する。
もし、国内利子率が国外利子率を上回るとき、つまりであれば、日本から海外このような国際間の資本の移動は各国の利子率格差に起因する。
この格差は理論的には資本市場を通じて調整される。
資本の国際移動を定式化すると
bp=xm[y.e:ya,pb,p]+cb[r―rb]
となる。ただし
bp:国際収支、xm;経済収支、cb;資本収支、y;所得、e名目為替レート、p:物価、r:利子率、添字のus国際水準を表す。
海外との間で行われる取引には、経常収支に記載れる材サービスの取引のほかに、海外での取引を総称した「資本取引」が盛んにおこなわれる。
資本取引における借り手は、利子率の低い国で資金を調達するし逆に、資本取引の貸し手は利子率の高い国に資金を供給する。
Posted by dummy at 2007年01月30日 15:31
1.国際収支均衡線
国際間で行われる取引には、経済収支である財・サービスの取引の他に、外国での工場建設などの直球投資や債権・不動産などを総称した「資本取引」が盛んに行われている。
この取引における資本の借り手は、おそらく、利子率の低い国の市場で資金を調達する。反対に、資本の貸し手は、利子率の高い国の市場に資金を供給するだろう。したがって、利子率の低い国には資本取引での超過需要が発生し、利子率の高い国には資本取引での超過供給が発生することになる。このとき、日本国内の利子率をrとして、外国の利子率をrAとする。もし(r-rA)>0ならば、日本国内へ外国から資本が流入するために、日本の資本収支は黒字になる。逆に(r-rA)<0ならば、日本国内から外国へ資本が流出し、日本の資本収支は赤字になる。そこで資本収支を利子率格差(r-rA)の関数と想定し、CB=CB(r-rA)となる。
この結果、経済収支と資本収支の和としての国際収支は、
BP=XM(Y,e;YA,PA,P)+CB(r-rA)となる。
ただし、BP:国際収支、XM:経済収支、CB:資本収支、Y:所得、e:名目為替レート、P:物価、r:利子率、添字のAは国際水準を表す。
このとき、BP=0となるようなYとrの組合せを、(Y,r)平面に図示すると、図1-Aのような右上がりの直線になる。これを、「国際均衡線」という。
2「マンデル=フレミングモデル」
マンデル=フレミングモデルとは、変動為替相場の下で、国際間の資本移動が完全な場合のIS-LMモデルのことをいう。
ISモデルは、財・サービス市場の均衡を意味し、LMモデルは金融市場の均衡を意味する。図1はこのIS曲線とLM曲線そしてBP=0が同時に交差しているような均衡状態を出発点にとる。この状態では、国際均等は達成しているが、均衡GNPは完全雇用に対応するGNPよりも低い(Y*<Yf)。
このようなギャップを解消するためには、図2でIS曲線をIS‘曲線へと右上方へシフトし、政府支出Goを増やすという財政政策を発動する。
このとき、図2が示すように、完全雇用の達成という国内均衡が実現できる。
ただし結果的に、国際収支全体は黒字になるため、円高になり、日本の輸入等は増加する。このとき、少なくともXMは赤字傾向を示し、それが原因になりADは低下する。そのため、IS‘曲線は元の状態まで戻り、それからさらに左下へシフトすれば、rがrus以下になると、大量の資本流出がeを円安にするため、IS曲線は右上へシフトする。このように、変動為替相場の下で、資本移動が完全な場合、国内均等(Y*=Yf)と国際均衡(BP=0)を同時に実現する手段として、財政政策は無効である。
一方、通貨発行などの金融政策では、LM曲線は左下方へシフトする。ここでは、そのときのLM’曲線とIS曲線の交点A’でのrはrusよりも低くなる。ということは、資本移動が完全であるために、瞬時に大量の資本が流出し、CBが大幅な赤字になると同時に国際収支全体も赤字になる。
その結果、円安になり、輸出が増加し、IS曲線は右上方へシフトするとともに、同時均衡が達成される。したがって、純粋な変動為替相場制の下で資本移動が完全な場合の金融政策は、LM曲線のシフトがIS曲線のシフトを誘発させることにより、Yの水準を増加させることができる。このように、金融政策は有効であり、そのために国内均衡(Y*=Yf)と国際均衡(BP=0)を同時に達成させることも可能である。
次に固定為替相場制の下では、図4のIS曲線は右上方にシフトし、LM曲線と点Bで交差する。ここでは、大量の資本流入が発生し、国際収支は大幅な黒字となり、外貨売りの圧力が急激に高まる。レートが固定されているため、LM曲線の右下方へとシフトし、同時均衡が達成される。
一方の金融政策では、金融穏和政策を行うため、先の図3が示すように、LM曲線は右下方にシフトし、IS曲線と点B’で交差する。このとき、資本が海外へ流出するために、CBの赤字、国際収支の赤字が発生する。
したがって、外貨購入の圧力が高まるので、中央銀行は外貨売却によって、為替レートを不変に維持する。しかし、それは同時に金融引締めを招き、元のLM曲線に戻る。このように金融政策はYを変化させることができないという意味で、無効である。
Posted by 一番前の席の廊下側から2番目 at 2007年01月30日 16:45
1 海外間で行われる取引には経常収支に記載される取引や、直接投資や債権・不動産等の取引を総称した「資本取引」がある。この国際間における「資本取引」が活発化し、国境を越えた資本の移動が大きな額になっている。この国際間の資本の移動は各国の利子率格差に起因し、この格差は理論的には資本市場を通じて調整される。資本の国際間移動を定式化すると
BP=XM(Y、e;YUS、PUS、P)+CB(r-rus) となる。ただし、BP:国際収支、Y:所得、
XM:経常収支、P:物価、CB:資本収支、
e:名目為替レート、r:利子率、活字のUSは国際水準を表す。この時BP=0となる。rをYの組合を図示した時に得られる右上がりの曲線が「国際収支均衡線」である。
 この直線が右上がりになる理由を明示する為(Y、r)平面の中でBP=0を成立させている点の一つとして、点(Y0、r0)を出発点とする。他の条件に変化がなければ、Y0からY1へ増加すると、IMが増加しXMは赤字になる。BP=0とするには資本が海外から流入してCBを黒字にする、その為にはrがr0からr1へ上昇すればよい。このYとrの組み合わせとして、図1の中に点(Y1、r1)を設定し、この点(Y1、r1)と先の点(Y0,r0)とを結ぶとBP=0は右上がりになる。
 また円安になればBP=0は右下の方向へシフトする。理由はY0の時円安になればXMは黒字傾向を示す為、CBを赤字にしてBP=0とするには、rがr0からr1へ低下する必要があるからである。つまり「資本移動が不完全な場合」から「資本移動から完全な場合」に近づくにつれて、BP=0の傾きは緩やかになり「資本移動」が完全な場合に至って図2のように、固定したrusの高さで横軸と平行になる。この時、rがRUSを上回れば海外から資本が流入し、逆にrがRUSを下回れば海外へ資本が流出する。それが可能になるのは資本の貸し手が国の内外に関係なく、rの高低だけで債権を売買するからである。さらに(Y、r)平面を2分割するBP=0の右上又は上部の領域では、海外より資本が流入し資本収支を黒字にし、それが国際収支の黒字につながる。その結果変動為替相場制の下での円高になり、逆にBP=0の右下又は下部の領域では、円安になる。






2 変動為替相場の下で国際間の資本移動が完全な場合のIS-LMモデルを「マンデル=フレミング・モデル」という。図3はこのモデルに完全雇用の実現に対応するYと(Y1)を記入したものである。
図3のIS曲線とLM曲線そしてBP=0が同時に交差しているような均衡状態を出発点にとる。この状態では、国際均衡は達成しているが均衡GNPは完全雇用に対応するGNPよりも低い。この不均衡を解消する為、政府支出を増やす財政政策を発動しIS曲線を図4のようにシフトさせる事で不均衡を解消する事ができる。だがここは貿易黒字が発生し、元の状態に戻り無効である。







一方、通貨発効などの金融政策を行ったとする。その時のLM’曲線とIS曲線の交点A’でのrはRUSよりも低くなっている。つまり、資本移動が完全であるために、瞬時に大量の資本が流出し、CBは大幅な赤字になり国際収支全体をも赤字になる。その結果円安を招く事になるが、これはIS曲線を右上へシフトさせる事になる。
次に固定相場制下では図4のIS曲線は右上にシフトし、LM曲線を点Bで交差する。この点Bでは、YはY*よりも増加しているが、rはRUSよりも高くなっている為大量の資本流入が発生し、国際収支は大幅な黒字となり、外貨売りの圧力が急激に高まる。そこで、eを維持するために外貨購入を増やす見返りに自国の貨幣供給M0を増加させるという介入を行わざるを得なくなる。つまり、国内的には金融が緩和されLM線がLM’へシフトし同時均衡が達成される。
一方、金融政策を発動した場合LM曲線は右下へシフトしIS曲線を点B’で交差する。この時のrはRUSよりも低いから、大量の資本が海外へ流出する為国際収支の赤字が発生する。よって、外貨購入の圧力が高まるので、外貨売却によって為替レートを不変に維持する。だが、それは同時に自国貨幣を回収している事であるから金融引き締め政策となり、LM曲線を左上へ引き戻す事になる。結局固定為替相場制の下で、資本移動が完全な場合、金融政策はYを変化させる事ができないという意味で無効である。
Posted by いちご at 2007年01月30日 16:53
〔1〕国際収支均衡線について説明しなさい
 国際収支とは、一定期間内に行われた外国との貿易取引の流れを示すものであり、国際収支均衡線とは、国際収支の均衡を達成させる利子率と国民所得の組み合わせである。国際間における資本取引が活発化し、国境をこえて資本の移動が大きな額になっている。このような国際間の資本の移動は各国の利子率格差に起因する。この格差は理論的には、資本市場を通じて調整させる。
 もし、rがrusを上回るとき、つまり、(r-rus)>0であれば、海外から日本へ金融政策が流入し、日本のCBは黒字になると想定する。逆に(r-rus)<0ならば、日本から海外へ資本が流入し、日本の資本収支は赤字になると想定する。以上のような資本の国際間移動を定式化すると、
BP=XM(Y、e;Yus、Pus、P)+CB(r-rus)となる。
ただし、BP:交際収支、XM:経常収支、CB:資本収支、Y:所得、e:名目為替レート、P:物価、r:利子率
添字のusは国際水準を表す。
 このときBP=0となるrとYの組合を図示したときにえられる曲線が「国際収支均衡線」である。
〔2〕マンデル=フレミング・モデルを用いて財政政策と金融政策を説明しなさい
 マンデル=フレミング・モデルは変動為替相場の下で国際間の資本の移動が完全な場合のIS-LMモデルをいう。
 図1はIS-LMモデルにBP(国際収支均衡)を同時に図示したものである。まず、IS曲線とLM曲線そしてBP=0が同時に交差しているような均衡状態を出発点にとる。この状態では、国産均衡は達成しているけれども、均衡GNPは完全雇用に対応するGNPよりも低い。そこで、このギャップを解消するために、政府支出などの財政政策を発動し、IS曲線図2のようにシフトさせることで不均衡を解消する。しかし、ここは貿易黒字が発生し、元の状態に戻り無効である。そのほかに、外生変数としてのYusが増大したとか、円安が発生したとかの理由によって、IS曲線が右上へシフトしたとしても、上記の理由によって、IS曲線はそこにとどまることができず、再び元のところにシフト・バックする。財政政策と同様に、これらの外生的な変化は、Yの水準を変化させることができない。
 一方、中央銀行が通貨発行など、名目貨幣供給を増加させるという金融政策を行ったとすれば、図2のLM曲線をLMにシフトさせる。ここでは国際収支が赤字となり、為替ルートが「円安」となり輸出が増加し、IS´にシフトし同時に均衡が達成できる。経済的にいえば、円安はXを促進し、IMを抑制するために、XMを黒字にする。だが、このようなXMを構成項目とするADが増大することになり、Y*からYfへと増加することになる。それともに、一度低下したrは資本移動の完全制の仮定によって、rusに引き戻される。したがって、純粋な変動為替相場制の下で資本移動が完全な場合の金融政策は、LM曲線のシフトがIS曲線のシフト」を誘発させることにより、Yの水準を増加させることができる意味で、金融政策は有効であるという。
 次に固定相場制下では図2のIS線のシフトはBPの黒字領域にあり、黒字が発生する。レートが固定されているため金融が緩和され、LM線がLM´へシフトし、同時均衡が達成される。
 一方、金融政策を発動した場合、LM´へシフトするが金融引締をまねき元のLMへ戻り無効となる。中央銀行は為替レートの維持の責任を負っているため、rを変化させるような金融政策を実行することができない。少しでも貨幣供給を増減させると、rを変化させ、大量の資本が発生するからである。
Posted by A at 2007年01月30日 16:54
「1」国際収支均衡線について説明しなさい。
海外との資本取引には、「経常収支」に記載されている財、サービスの取引のほかに、海外の工場建設などの直接投資や債権,不動産などの取引を総称した「資本収支」が盛んに行われている。
このときに資本収支における借り手は、利子率の低い国で資金を調達するだろうし、逆に資本取引の貸し手は、利子率の高い国に資金を供給する。したがって利子率の低い国には、資本取引での超過需要が発生するし逆に利子率の高い国には、資本取引で超過供給が発生することになる。
このとき、資本移動に対する法制規制や手続きなどの障壁が少なければ少ないほど国内外の利子率格差はすみやかに解消され、理論的には、国際水準の利子率へ収束される。
もし、利子率が国際水準の利子率を上回るとき、つまり「r-rus」>0であれば、海外から日本へ金融資本が流入し、日本のCBは黒字になると想定する。逆に「r-rus」<0ならば、日本から海外へ資本が流出し、日本の収支は赤字になると想定する。
以上のような資本の国際間移動の誘因を設定すると、XMとCBの和としてBPをまとめると、BP=XM(Y、e;Yus、Pus、P)+CB(r-rus)となる。
ただし、BP:交際収支、XM:経常収支、CB:資本収支、Y:所得、e:名目為替レート、P:物価、r:利子率
添字のusは国際水準を表す。このときBP=0となるようなYとRを組み合わせれば、下の図のように国際収支均抗線ができる。

「2」マンデルフレミングモデルを用いて財政政策と金融政策を説明しなさい。
変動為替相場の下で、国際間の資本移動が完全な場合IS-LMモデルのことを「マンデル=フレミングモデル」と呼んでいる。このモデルに、完全雇用の実現に対応するY[Yf]を記入したのが、下の図である。

IS曲線、LM曲線そして、BP=0が同時に交差している均衡点GNPは完全雇用に対するGNPより低い「Y>Yf」。
そこで、このギャップを解消するために、 例えば、政府支出Gを増やすという財政政策を発動させるならば、上の図のIS曲線は、IS曲線へと右上へとシフトし、この曲線とLM曲線の交点は点Aへと移動するが、その点のYはYfに等しくなるから、図が示すような完全雇用の達成という国内均衡は実行できる。また、IS曲線を右上方向にシフトするためには、減税を採用してもよい。
いずれにしても利子率は、以前にくらべて高くなるために、瞬時にして資本が流入しCBを大幅な黒字にするだろう。
次に中央銀行が名目貨幣供給Mを増加させるという金融政策を行ったとすれば、LM曲線は、左下方へシフトさせるが、ここでは、BP=0とYの交点Eを通過するようなLMへシフトしたと想定させる。しかし、そのときのLM曲線とIS曲線の交点Aでのrは、rusよりも低くなっている。ということは、資本移動が完全であるために、瞬時に大量の資本が流失し、CBは大幅な赤字におちいることになり、国際収支全体をも赤字になる。
その結果、円安を招くことになるが、輸出が増加しこれは、先のIS曲線が示すように、IS曲線を右上方へシフトさせることになる。したがって、純粋な変動為替相場制の下で資本移動が完全な場合の金融政策は、下の図が示すようにLM曲線のシフトがIS曲線のシフトを誘発させることにより、Yの水準を増加させることができる。




固定為替相場制の下での財政政策の場合Yが増加し、利子率も高くなっているので大量の資本流入が発生し、国際収支は大幅な黒字になるため外貨売りの圧力が急激に高まる。そして自国の貨幣供給を増加するという介入を行わなければならない。このように資本移動が完全な場合での財政政策は、Yを増加することができる。
一方金融政策の場合は、利子率を下げるために、金融緩和政策を行うとすれば大量の資本が海外に流出し、国際収支の赤字になる。
外貨貨幣の圧力が高まるが、中央銀行は、外貨売却によって為替レートを不変に維持する。しかし金融引締め政策により、元の曲線にもどり無効となる。
Posted by 一番右の通路側から二番目の席 at 2007年01月31日 18:40
 
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